連載小説
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涙は、枯れた。
 「アグネシュカ〜!アグネシュカ〜!」止め処もなくあふれた涙は、彼女の髪まで濡らしていた。おかしなもので、本当に涙は枯れるのだ。・・
 とその時、アグネシュカの瞼が少し動き、おもむろにだるそうなあくびをしだしたのだ。
 「ああ!アグネシュカ!よかった!よかった!よかった〜!」私は力の限りに、アグネシュカを思い切り抱きしめた。
 本当によかった、やっぱり轟の言ったとおりだ。
 「痛いよ、山さん!痛いってば〜。」「あ、ごめんごめん!」「私、少しうたた寝したみたいね!ごめんなさい。」
 やはりアグネシュカはさきほどの事は、何にも覚えていないようだ。・・・ 「山さん、ありがと!さっき私の意識が遠のく中、必死になって言ってくれた「輪廻転生」、あの言葉で少し気が楽になったの。」
 「あれ?覚えてるの?」「そうよ、みんな覚えてるわ。」
 轟から聞いた、直前の記憶は自動消去されるはずが変更されたのか?・・多分、再び同じ場面でセーフホールドモードにならないように克服改善されているのだろう。
 「とにかくよかった!乾杯しよう?」
 「そうね、二人とも死にかけたものね!」「二人とも?」「だって山さんも私のために死んでもいいって、覚悟してキノコ食べたんでしょ?」
 「なんだ、そうか!」ようやく2人は心の底から笑い転げるのだった。
 「かんぱ〜い!」地獄の後の天国とはまさにこういう状態だ。とにかくアグネシュカを失う事にならなくて、本当によかった!
 「ところでアグネシュカはポーランド語、喋れるの?」また同じ事が起きないか、勇気を持って聞いてみたが・・「少しずつ思い出してるの、もう大丈夫よ!」・・・「それと山さん本当に、あ・り・が・とっ!」
 これでもう、大丈夫だ!「こちらこそ、アグネシュカ!ありがとう!」と心で叫んだのだった。・・・
10/12/12 11:39更新 / アンバー
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■作者メッセージ
どうなるかとヒヤヒヤしたけど、よ〜かったね!

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まろやか投稿小説 Ver1.53c