連載小説
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アグネシュカが、フリーズ!
 「アグネシュカ、ほかのコレンディーは?」「そうねぇ、この歌もとっても素敵よっ!」「Gdy sliczna Panna・・・・」・・「すばらしい!ブラボ〜、ブラボー!」
 僕もクリスチャンになろうかな?・・と思って前にも挑戦したがいつも最初の「父と子と精霊の名において」という存在を信じるとこからくじけるのだ。元来、無宗教な僕にはその気が薄いのかも知れない。
 その後もアグネシュカの歌声は続いた。「Pojdzmy wszyscy do stajenki,・・・」「Wsrod nocney ciszy,・・・」「Dzisiaj w Betlejem,・・・」「Cicha Noc」あっ、これ分かる!きよしこの夜だ・・・
 「・・・なんで私は聞いた事もないのに、こんな歌知ってるんだろう?ねぇー山さんどうして?」・・「Dzien dobry! nazywam sie Agnieszka・・・」・・・
 「やっぱりポーランド語だ、何で私話せるのぉ!」「ねぇー山さんどうなってるんの!ねー山さん!!」
 アグネシュカの目はほとんど錯乱状態だった。まいった!このままだとアグネシュカがフリーズしてしまう!どうしよう!どうしたらいいんだ!!
 落ち着け!落ち着け!・・・そうだ!私はとっさにアグネシュカの頬を思い切り叩きながら大声で必死に言った。
 「アグネシュカ!落ち着いて!聞いて!いいかい?輪廻転生と言って人は死んであの世に還った魂は、またこの世に生まれ変わって来るんだよ!たまたま同じ人間だった時、極まれにその前世の記憶が残っている事があるんだよ!分かる?アグネシュカの前世はポーランド人だったんだよ!」・・・
 「アグネシュカ!愛してるよ!愛してるんだから!本当だよ!アグネシュカ!」・・・・
 すぐに私はアグネシュカをベットに寝かせたが、彼女の意識はだんだん薄れていった。こんな時に出来るのは、皮肉にもただひたすら神様に祈るだけだった。
 「アグネシュカ!アグネシュカ!」私の止め処もない涙が彼女の頬をつたって流れた。・・・
10/12/10 11:31更新 / アンバー
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■作者メッセージ
アグネシュカ!アグネシュカ〜!・・・

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まろやか投稿小説 Ver1.53c