連載小説
[TOP][目次]
これでいい?コレンデイ。
 お酒のアルコールで消毒されたのか(そんな事あるはずない!)その後も体調に何の変わりもなかった。
 やっぱり、アグネシュカの言っていた事は正しかったか・・、「ところで、さっきのキノコなんて名前なの?」「マシラキよ、傘は硬いからむいて食べるの。」
 しっかり料理法まで分かってるんだ、まあいいや!とりあえず死ななかったんだから・・・。
 「アグネシュカ、そろそろクリスマスの飾り付けでもしてみる?」「いいわねぇ〜、しましょうよ!」
 もう何十年も同じ物を使ってきたせいで、飾り付けにも慣れたもんだ。・・・
 「アグネシュカ、これでいい?」・・・・「コレンデイ・・」アグネシュカは飾り付けたクリスマスツリーをじっと見ながら、暫くぼぉ〜としていた。
 「アグネシュカ!どうかしたの?」・・・・・
 「Lulajze, Jezuniu, moja perelko〜・・・」いきなり彼女は、訳の分からない言葉で歌い出した。
 どうしたんだ!えぇ!アグネシュカしっかりしろよ!と言いかけた次の瞬間、ものすごく綺麗なその旋律と、心洗われるアグネシュカの歌声に思わず息を飲んだ。
 私はそのまま引き込まれるように、歌い終わるまでじっと聞き入ってしまった。
 「アグネシュカ今の歌は?」「コレンディーよ、コレンディはクリスマス聖歌って意味、その中で私が一番好きな曲よ!子守唄みたいなもの、愛する子を寝かせる時に歌ってあげるの。」
 「なんて綺麗な曲なんだろう、もう一回歌ってくれる?」「いいわよ何回でも。」
 わりかし単純なコード展開は、音楽好きな私にはすぐに理解できた。
 「Lulajze, Jezuniu,」ここから僕は即興で3度下のパートを重ね合わせてハミングで一緒に歌った。「Moja perelko〜, Lulaj ulubione me piescidelko,・・・・」
 同じ歌を何回も一緒に歌っている私達の回りには、言い表わせない神聖な雰囲気が漂っていたのだった。
10/12/09 21:00更新 / アンバー
前へ 次へ

■作者メッセージ
溶け出したマイクロフリーズには、いったい何が?

TOP | 目次



まろやか投稿小説 Ver1.53c