連載小説
[TOP][目次]
またまた、山頂で・・・。
 大して高くもない山の頂上からは、京都の古い町並みや遠くに京都タワーも小さく見えたが、別に感動するる程のものではない。
 ちょうど2人座れる大きな石の上に肩を並べて座ったその時、ふと私は懐かしくも、美智子と奥多摩湖畔でセカンドキスをした時の事をぼんやり思い出していた。
 またフラチにも、まゆみと八ヶ岳での「アオカン」の光景が同時に脳裏に浮かんで、1人苦笑いをしていた。
 「どうしたの、山さん?」「いや、別に・・。」そんな事、アグネシュカに言える訳がない!
 傍らにあった狭い芝生の上にレジャーシートを敷き、お弁当を並べながらアグネシュカがふと言った。
 「山さん、私のこと愛してる?」・・あれ、待てよ!ここでそんな事返事したら・・・アグネシュカの目には、すでにスケベなたくらみを放っていた。
 「とりあえず、食べよう!」「もう嫌いになったのね!」・・ヒューマノイドなのに、やっぱり女はやっかいな動物なのだ。
 「そんな事ないよ!愛してるに決ってるでしょ!」その言葉を待っていたかのように、いきなり着ている物をさっさと脱ぎ始めるではないか!
 あれあれとたじろぐ私をよそに、アグネシュカはあっという間に丸裸になっっていった。
 「まずいよこんな所で!」「大丈夫よ!」何が大丈夫なのか。
 人が来たらどうしようと思う気持ちがかえって、意に反して私の男をにわかに奮い立たせた。
 もうこうなったらやるしかないかっ・・「うゎ〜お〜!」・・・幸い早い僕が終わるまで、誰かに会う事もなかったが、さすがに疲れた私はマンションに戻るなり、すぐにうたた寝をしてしまった。
 そうして起きたのは午後8時、なんと4時間も熟睡してしまったのか?さすがにもう年だな、などと思っていると・・「山さん出来たわよ!」
 見るとそれはかぐわしいキノコとタマネギのベーコン炒めだった。
 「どうしたのこれ?まさか?」・・・???「え〜っ!」
10/12/07 21:49更新 / アンバー
前へ 次へ

■作者メッセージ
こんなの食べたら、死ぬんじゃないの?

TOP | 目次



まろやか投稿小説 Ver1.53c