連載小説
[TOP][目次]
最高の、海の幸。 
 生まれて始めての大きな露天風呂に、アグネシュカも恵美ちゃんもまるで子供のように、興奮してはしゃぎ回っていたがていたが、私達はむしろその裸姿に興奮していた。
 アグネシュカの胸はまるでパンチボールのように不規則に上下し、恵美ちゃんの、むこう向きに前かがみになってお湯を手で救い上げるおしりにも、目を背けるフリをしなくては・・。
 ああ、これが地上の楽園なのかと思うほど、2対2の違った喜び様だったのだ。
 こうなったらこちらも馬鹿騒ぎするか!と思った矢先、仲居さんが声を掛けてきた。
 「食事どうされますか?」こんな時に無粋な・・「はーい!」「準備してもよろしゅございますか?」「あ、お願いします。」
 ここはとりあえず中断だ。急いで浴衣に着替えた私達は彼女達にもに始めての浴衣を着せてあげたが、急いでたので下着を探す暇はなかった。
 何とか体裁を整えた4人は、脱ぎ散らかした洋服をようやくたたんでしまった。
 さあ、ご飯だ!魚場が近い熱海はやはり海の幸。別注で頼んだ「活造り千石船」には伊勢海老の刺身をはじめあわびに金目鯛、ああ最高!極楽だ!
 「あれ、待てよ、アグネシュカと恵美ちゃんは完全な液体しか飲めないと言うことは、2人で4人分食べなきゃいけない!と言うことか?」
 「ごめんね、2人とも・・」「いいのよその代わり私達の分も、美味しそうにたべてね!」心優しい2人だ。・・・・
 とても美味しい夕食だったが、いかんせん大満腹だ。「も〜苦しい、これは風呂で腹ごなしでもするしかないなっ。」
 「その前に残りの2部屋に布団を敷いてもらって、それからお酒多めに頼んどこう。」よし、これで完璧だ。
 「これでもう仲居さんは来ないから、思いっきり温泉を楽しもう!」「おーっ!」
 ただこの露天風呂には洗い場もシャワーもなく、ひたすら出たり浸かったりして楽しむみたいだ。
 先ほどとは違い、日がすっかり落ち波に反射する熱海の夜景は、少し離れたここならではの美しさが伝わってくる。
 「あらためて乾杯しましょうよ。」と言う轟の目には、何やらスケベなたくらみを浮かべていた。
10/11/15 21:01更新 / アンバー
前へ 次へ

■作者メッセージ
何を考えてるのか、轟。

TOP | 目次



まろやか投稿小説 Ver1.53c