連載小説
[TOP][目次]
またまた、懲りない。
 すっかり立派に更正した僕だったが、ロコちゃん事件をきっかけに、再び田代まさしのように病気?を繰り返すはめになった。
 また以前のように、みんなと飲みに行く回数が戻った僕は、その日も口説けそうな女の子の隣で飲んでいた。
 地金担当の吉田初美だ。大きな目にまつ毛が長く色白な彼女は、小柄でおとなしかった。時々変なアクセントは、直したつもりの九州なまりの副産物だ。
 総攻撃を掛けるのは、彼女がアパートの1人暮らしだったからでもあった。
 昔は、逆さクラゲ、温泉マークの「連れ込み宿」などと言われていたが、かれこれそれに何百万使っただろうか?魂胆見え見えで分かりやすいが、終わって帰る時がちょっとむなしい。この年になれば、やっぱり1人住まいは理想的なターゲットだ。
 珍しく1回の攻撃で、彼女の電話番号と降りる駅を聞いた僕は、ばれないよう先に店を出てその駅で彼女を待った。が、それが大失敗だった。
 暫くして、降りてきた彼女の横には、なんと武田がくっついているじゃないか!武田は押して押して攻めまくるのが、いつも彼なりの戦術だ。間髪入れない武田の攻めで、とうとう彼女にくっついてきてしまったのだ。
 こうして実に妙なメンバー構成になった3人だが、仕方なくもう一度、桜台駅前の居酒屋で飲み直した。
 残念ながらこの日はノーサイドだったが、そのあとすぐ僕のスケベなシュートは初美のゴールど真ん中に入ったのだ。僕はすでに彼女の電話番号を聞き、しっかり覚えていたからだ。
 そんな中、よせばいいのにまたまた懲りずに、僕は次の病気の種まきを始めるのだった。
 そしてこの事がまさか、DNAを伝える人生になるとは・・・
10/09/16 10:47更新 / アンバー
前へ 次へ

■作者メッセージ
DNA?

TOP | 目次



まろやか投稿小説 Ver1.53c