連載小説
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ナナハンで、アオカン?
 そんなこんなで、また夏が来た。
 轟の友人から譲ってもらった、ナナハンはヤッパリ最高だ。歴代、最初のCB250エキスポートから、VF400、VF750と乗ったが、CB750(K1)の直4のエンジンはふけが全く違う!
 普通はアクセルを回すと、ブッウ〜ンと遅れて回転が上るが、K1は同時だ!ブンッ・・・ブンッ、ほんとにたまらない。
 初期タイプはK0だが、エアークリーナーとバッテリーが入った左右のカバーが大きすぎ、止まっている時もお尻ずらしてつま先立ちのハングオン、足の短い僕には特にみっともない姿になるのだ。
 当然、お気に入りのバイクにまゆみを誘った。
 初代ウォークマンには、何に使うのか?マイクが付いていた。僕は後ろのまゆみにも聞こえるように、二又で2人のヘルメットに小型スピーカーを埋め込んだ。
 マイクスイッチを押すと音楽が途切れて、僕の声がまゆみのヘルメットに聞こえるのだ。これで完璧、目指すは八ヶ岳だ。
 二人乗りは(当時)高速に乗れないので、国道20号線をひたすら走る。相模湖手前の小仏峠は腕の見せ所だ。
 二人乗りはとっさの時に対処が遅れるので、やや控え気味にコーナーを攻めた。まゆみには事前に、絶対僕の倒しに逆らって体を起こすな!と注意しておいた。もし起こそうとすると限界寸前のバイクを更に倒さないと曲がり切れなくなるからだ。
 八ヶ岳には西武開発の別荘地があり、バンドメンバー嶋君の別荘には、男女みんなでよく来ていた。別荘地内には、知る人ぞ知る「せせらぎの小路」があるが、その先にはゴツゴツした大きな岩のある小さな水流があった。週末でもほとんど人が来ない事を、前にも来たことのある僕はよく知っていた。
 完全に、2人っきりだ!どこかで昔、あったような光景だが、今度は決してキスだけでは収まらなかった。・・・が、とてもっ・・早かった。
 
10/09/14 17:23更新 / アンバー
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■作者メッセージ
まったく、もぉ〜・・・。

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まろやか投稿小説 Ver1.53c