連載小説
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まゆみと初の、初詣。
 この後和世と結婚するまで、満ち足りていた僕は、まゆみと和世以外のターゲットを狙う必要もなかった。
 次の正月、僕は記憶がないほど久しぶりに、まゆみと初詣に出かけた。というのも、百貨店はほとんど正月休みがなく、西武に入ってからの僕には、初詣に行く慣例がなかったからだ。
 今でこそ、2日からの営業も当たり前だが、西武は昔からそうだった。大晦日ギリギリまで働かせられて、元旦くらいはゆっくりしたい。とても初詣に、わざわざ出かける気分にはなれないのだ。
 早朝まゆみを迎えに行って、そのまま用賀から東名高速に入った。直前まで乗っていたBMWは同僚に売ってしまったので、その日は実家のクラウンだった。
 関東だと明治神宮や鎌倉鶴丘八幡、成田山新勝寺、川ア大師が一般的だが、その日僕はまだ行った事のない豊川稲荷を選んだ。
 今では珍しいベンチシートの運転席は、決して僕に退屈をさせなかった。横のまゆみに左手で、イタズラがしやすかったからだ。むんぎゅ〜・・・
 無事参拝を済ませた僕は、大好きな竹輪を食べ帰路についた。同じ道を帰るのも芸がないので、遠回りだが中央高速に向かった。
 途中の上り坂、山道で雪が降り出した。規制で高速から下ろされると間に合わないので、仕方なくチェーンを買ったが、ぎりぎりそのままで行けた。
 やっとの事で約700キロをドライブし、僕のマンションに戻った時、まゆみの体は全身こりにこっていた。
 シャワーを浴びたまゆみをうつ伏せに寝かせ、肩から足元までマッサージをしていると、当然の流れのようにそのまま僕のスイッチが入った。
 うつ伏せのまんま・・・・・
 
 

 
10/09/14 15:39更新 / アンバー
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■作者メッセージ
まだまだ、続く。

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まろやか投稿小説 Ver1.53c