連載小説
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こちらの浮気
 (読者)朝帰りの妻の話はいったいどうなったの?
 ごめんなさい!その前に、朝帰りには、こんな事があったからかも知れないのでお話しします。
 悲しいかな、男というものは誰でもフラチな心を持っており、僕も決してその例外ではなかった。と言うか、フラチそのものだったのかも?
 今だから言えるけど、この間2人の女性とだけと付き合っていた訳ではない。でもそれはいずれも、ほんのつまみ食い程度だった。
 名古屋の1つ年上の女・・・坂東君にあてがわれた医者の娘・・・高校の時、猛烈に好きだった医者の娘・・・工学部のこれまた医者の娘・・・勿論、学生時代に親父に買って貰ったフェアレディー240ZGが最大の武器だったのは間違いない。
 無残な初恋から、徐々に女心を探求し、自分なりの攻めのパターンを確立していく僕はますます、日々落城の技を身につけていった。
 そんなある日、また夏が着て、恒例のロアジール村での仲間内コンサートに妻と出かけた。幌馬車テントで横になっていた妻を置いて、僕ら仲間はステ−ジ脇の芝生で延々と飲んでいた。
 その時いきなり「私、実はグルービーなの!特にOさんのっ!」おいおい、待てよ、妻がそばで寝てるのにー。それは嶋君のいとこが連れてきた幼馴染の和世さんだった。
 その時、妻の声「Oさ〜ん!」見ると僕らの幌馬車が燃えているではないか。すぐに僕は消し止めたが、燃え尽きたローソクが落ちて少し燃えただけだった。
 シラケが入ったが、何事もなかったように、また戻って仲間と飲み始めた。酔っ払った僕は彼女を誘い川に下りようとしたが、不覚にも僕だけずるずると崖を滑り落ちてしまった。
 残念ながらこの日はここまでだったが、彼女の気持ちと電話番号はしっかり次の朝まで覚えていた。そしてその秋、一人で行った菅平高原でのコンサートで、和世は落城したのだった。・・・
 

10/09/06 12:15更新 / アンバー
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■作者メッセージ
困ったもんだ!男と言うものは・・・

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まろやか投稿小説 Ver1.53c